cocos2d-xを学習する方法:和書の書評

cocos2d-x関連の和書で、発刊が周知されていた3冊が出揃いました。
この記事では、それらを紹介し、個人のレベルに合わせてどれを読んでいけばいいかお勧めを書きたいと思います。

より初心者向けのものから書いていきます。

cocos2d-x入門

cocos2d-x入門

cocos2d-x.jp代表やってる清水さんの書いた初心者向けの本。
C++文法についても簡単に触れています。
cocos2d-xとは、というところから書いています。
全くcocos2dシリーズを知らないならこれで始めるといいでしょう。
プログラミング初心者もこれが一番。

cocos2d-xによるiPhone/Androidアプリプログラミングガイド (for Smartphone Developers)

cocos2d-xによるiPhone/Androidアプリプログラミングガイド (for Smartphone Developers)

やはり清水さんの本。
上の本に比べて、基本的概念の解説が少し簡略化されて密度が濃くなってますが、そこまで難しさは変わりません。
他の2dスプライトのフレームワークFlashとか)を触ったことがある人なら、これで始めて全く問題ないと思います。
GlyphDesigner、CocosBuilder、PhysicsEditorを使ったゲームサンプルが1つずつが載っています。


上の2つの本は写経用であり、サンプルソースを全て写経すればcocos2dをリファレンス見ながら書けるレベルまで到れるでしょう。
写経しながら、周辺ツールの使い方も覚えられると思います。


Cocos2d-x開発のレシピ

Cocos2d-x開発のレシピ

こちらは、逆引きリファレンスといったものです。
業務や趣味で既にcocos2d-xを使っている人、cocos2d-iphoneを使っていて
、cocos2d-xとの違いを知りたいだけの人はこの一冊で十分です。
逆引きリファレンスといえどノウハウのかたまりなので、全て読み通しておくと、何か困ったときに、「あの辺りに書いてあったかな」と辞書をひくように読み直せると思います。
cocos2d-xはまだ日本語の情報が少なく、リファレンスのDoxygenも記述が少ないので、英語の公式サイトやTestCppやcocs2d-xのソースを読めば十分!という人もこれは買っておくと良いと思います。

この本は最高ですが、欲を言えば、TiledやCocosBuilderなど周辺ツールの記載が簡略です。
値段を高くしていいから、もっと量が充実していると嬉しかった。

この本に書いてないTipsについて、今後このブログでも共有して行きたいと思います。




cocos2dで作る iPhone&iPadゲームプログラミング

cocos2dで作る iPhone&iPadゲームプログラミング

この本は、Cocos2d-iphoneの本であり、しかも、バージョン0.9に基づいた本です。(現在のバージョンは2.1)
翻訳書であり、原書の方はバージョン2に対応したものが出ています。
Cocos2d-iphoneは新規機能開発が行われないことはほぼ確定しているようなものであり(iOS7の2Dフレームワークのせい ゲフンゲフン)、Cocos2d-iphone使用者が減ることを考えると、和書が改訂されることはないでしょう。

それでも僕は入門にはこの本を一番におすすめできます。
理由を順不同に挙げます。
・量と質の差。周辺ツールおよび機能をくまなく取り上げている。上の本はタイルやパララックスのことを詳しく取り上げていない。
・ゲーム開発の基本的考え方や、良いゲームプログラミング、とは、といったところまで踏み込む。上で紹介した本が、あくまでcocos2dを使いこなせるようになるための本であるとするなら、この本は、cocos2dを道具としてゲーム開発そのものを学べる本だと思う。
・cocos2d-xのAPIはcocos2d-iphoneAPIとほぼ同じ。cocos2d-iphoneができる人はcocos2d-xもできる。
・原書のバージョン2向けのサンプルソースを読みながら、この本の0.9向けのソース解説を読むことは十分に可能(僕がそうやって学んだので)。このブログ内でも、関連する記事を書いていますので読んでみてください。


今更cocos2d-xのためにcocos2d-iphoneの本を使って学びたい、という人はいないでしょうが、この本が読者をひきあげてくれるレベルが他よりも高いので、やはりこの本が初心者向けにはベストと言わざるを得ません。

以上です。